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2025.07.03 THU

【AppSheet】アプリのオーナーと支払いアカウントが違う問題を解決する完全ガイド

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2025.07.03 THU

AppSheetでアプリを開発し、有料プランを契約した際に起こりがちな「アプリのオーナーと有料プランの契約者が別のアカウント」という問題。これにより、プランが正しく適用されず、ユーザー数超過などの警告が表示されることがあります。

この記事では、この問題を解決するための2つの正式なアプローチを、AppSheet公式ドキュメントを参照しながら詳しく解説します。

前提知識:AppSheetのオーナーシップと課金の基本

まず、AppSheetの基本的な仕組みを理解することが重要です。

  • プランはアカウントに紐づく: 有料プラン(Core, Enterpriseなど)は、購入したGoogleアカウントに紐付きます。
  • アプリはオーナーのプランで動く: 各アプリは、そのアプリのオーナーとなっているアカウントのプランで運用されます。

つまり、アプリのオーナーが無料プランのままであれば、たとえ別のアカウントが有料プランを持っていても、そのアプリは無料プランの制約を受けます。


【解決策A】 アプリのオーナーシップを移管する(管理の一本化)

これは、アプリの所有権そのものを、有料プランを契約しているアカウントに引越しさせる、最も直接的な方法です。

推奨ケース:

  • 今後の管理をシンプルにするため、アプリの所有者と支払者を一人にまとめたい場合。
  • 複数のアカウントをご自身で管理している場合。

【最重要ステップ】 データソースの権限共有

この方法を安全に行うには、移管前に、新しいオーナーがデータソースにアクセスできることを保証する必要があります。

  1. なぜ必要か?: アプリはデータソース(Googleスプレッドシート等)への接続情報を保持しています。新しいオーナーがそのデータソースへの「編集権限」を持っていないと、移管後にアプリの編集や列構造の再生成(Regenerate)でエラーが発生します。
  2. 設定方法: アプリで利用している全てのGoogleスプレッドシートの[共有] 設定を開き、新しいオーナーとなるアカウントを「編集者」として追加します。

移管の手順

  1. 現在のオーナーのアカウントでAppSheetにサインインします。
  2. My Account > Apps タブに移動します。
  3. 対象アプリの横にある「︙」メニューから Transfer を選択します。
  4. 移管先(有料プラン契約者)のメールアドレスを入力し、画面の指示に従い移管を完了します。

この方法のポイント

  • データ接続: 事前の権限共有を正しく行えば、接続は維持され、アプリの再設定は不要です。
  • GASへの影響: スプレッドシートに紐づくGASの動作に直接的な影響はありません。ただし、アプリの管理者とGASの管理者(トリガー設定者)が別のアカウントになり、管理が二元化する点には留意が必要です。

【解決策B】 チーム機能で支払いプランを適用する(安全第一)

これは、アプリのオーナーはそのままで、有料プラン契約者がチーム管理者として、外部からプランを適用する方法です。

推奨ケース:

  • データソース接続のリスクを完全にゼロにしたい、安全第一で進めたい場合。
  • 開発担当者と支払い担当者など、組織内で役割を明確に分けたい場合。

チーム機能のメリット

アプリのオーナーも、データソースへの接続情報も一切変更されないため、データ接続に関するリスクがありません。

適用の手順

  1. 【有料プラン契約者側】: AppSheetにサインインし、My Account > Team タブでチームを作成、または管理します。
  2. チームにアプリの現オーナーをメンバーとして招待します。
  3. 【アプリオーナー側】: 招待を承諾します。
  4. 【有料プラン契約者側】: My Account > Billing タブに移動します。
  5. Your team's apps (チームのアプリ)一覧に表示された対象アプリに、自身の有料プランを適用します。

この方法のポイント

  • データ接続: 影響は一切ありません。
  • GASへの影響: 影響は一切ありません。アプリもGASも同じオーナーの管理下に留まります。

補足:セキュリティフィルターとプランの関係

今回、Coreプランをご契約済みとのことでしたので問題ありませんが、重要な点として、セキュリティフィルター (Security filters)Coreプラン以上の機能です。

どちらの解決策を実行した場合でも、アプリの定義(セキュリティフィルターの式を含む)はそのまま引き継がれます。そして、Coreプランが正しく適用されることで、セキュリティフィルターも問題なく機能し続けます。

まとめ:どちらを選ぶべきか?

解決策A (オーナー移管)解決策B (チーム機能)
コンセプト所有権を引越しさせる所有者はそのままでプランを適用
データ接続の影響事前準備が必須。 行えば影響なし影響なし。 最も安全
アプリの所有者変更される変更されない
設定の複雑さシンプルやや複雑

ご自身の運用スタイルに合わせて、最適な方法をご選択ください。

北海道紋別市出身。旭川・富良野を経て2025年5月に故郷へ。金融・デザイン・Web・不動産の多様な経験を活かし、個人事業でホームページ制作やAI活用支援を提供。宅建士資格保有。地方でのデジタル活用と地域貢献をテーマに活動中。